音楽理論その5

佐渡島の次平

コードは音階上にできる


そもそもコード(和音)とは、スケール(音階)上にできます。
※逆に言うと、コードにはそのコードができた根拠になるスケールが隠れています。
例えば、Cコードと言えばC音,E音,G音でなり、いわゆるドミソの和音ですが、このCコードにはドレミファソラシドのアイオニアン・スケールが隠れています。

Cのスケール上(アイオニアン・スケール)にできるコード(ジャズでは4和音にします)。

C,D,E,F,G,A,B
Cmaj7,Dm7,Em7,Fmaj7,G7,Am7,Bm7-5

各コードで使えるスケール

Cmaj7:Cアイオニアン・スケール
C,D,E,(F),G,A,B

Dm7:Dドリアン・スケール
D,E,F,G,A,(B),C

Em7:Eフリジアン・スケール
E,(F),G,A,B,C,D

Fmaj7:Fリディアン・スケール
F,G,A,B,C,D,E

G7:Gミクソリディアン・スケール
G,A,B,(C),D,E,F

Am7:Aエオリアン・スケール
A,B,C,D,E,(F),G

Bm7-5:Bロクリアン・スケール
B,(C),D,E,F,G,A

()内はアボイド・ノート
リディアン・スケールはノー・アボイドです。


ポップス系の曲では曲をコード進行で表現しますが、このコード進行から各コードに 当てはまるスケールを解釈できれば各コードで使える音、使えない音が良く分かります。 ジャズではよくテンション・ノート(緊張音)を使ってモダンな響きにしますが、各コード でどのテンションが使えるかの判断は、スケールが分かれば一目瞭然です。

アドリブの仕方には、好きなフレーズをたくさん覚えておいて、コード進行に合う フレーズを選択して演奏するやり方もありますが、私の場合は各コードにスケールを当て はめて、スケール表を作っておいて使える音、使えない音を確かめながら、アドリブ・フレーズ を作っています。コードとスケールの関係を理解するまで時間が掛かりますが、ある程度 コードとスケールの関係が分かってくれば応用が効くので、いろんなフレーズを覚えて いなくても作っていけます。多分、過去に聞いた曲からこんな感じでアドリブしていた なと、頭の隅のほうにでも印象が残っていてそれに近い感じのフレーズを作っているん だと思います。

小さい時からジャズを聞いていた訳では無いので、無意識にフレーズを作ると演歌 っぽくなったり、童謡風になったりするので、意識的にジャズらしくなるように作らない と自然には浮かんできません。ジャズにはジャズ特有の語法とでも言う歌い方がある ので、まずはプロの演奏のマネから入ってジャズらしい物の言い方を覚えるしかないです。