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とうりゃんせ

佐渡島の次平

このページの写真のみ「ゆんフリー写真素材集」さんからお借りしました。
ゆんフリー写真素材集


[VOON] とうりゃんせ前編


[VOON] とうりゃんせ後編

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とうりゃんせ台本
(本編)
’ 10.11.9

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時代背景
19世紀始め頃。文化・文政の時代
1804年〜1829年
1833年〜1837年天保の大飢饉があったので、それより前と考えます。
“化政文化”と呼ばれた文化が作り出された時代
「東海道中膝栗毛」、俗に言う弥次・喜多道中
「南総里見八犬伝」
「東海道四谷怪談」
安藤広重、葛飾北斎の浮世絵版画
等の作品が発表された頃
その他
間宮林蔵が、間宮海峡発見
工場制手工業が現れ、専売制が広がる
伊能忠敬の「大日本沿海よ地全図」が完成
1830年には伊勢おかげまいりが大流行したので、多分この頃と設定
場所は不明
りんどう祭りが行われる、俗に「りんどうの里」と呼ばれる村
(群馬県かも?)

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登場人物

ナレーター-----女子アナ

(こんな人がどうしてアナウンサーになれたのか不思議な人。
すぐに話があちこちに飛ぶ、とんちんかんな人)
たんぽぽしゃん

おりん-----母親
(登場人物の中で一番まともな人。りんどうが好き)
たんぽぽしゃん

ひょうろく-----おりんの亭主
(小間物屋の主人。心配症)
ひらみぃさん

たまむし-----おりんの長男
(人見知りが激しい。おりんの心配の種)
たんぽぽしゃん

ボツネタ登場人物

親父----- 大店(おおだな)の主人

トミさん

花魁-----主人のお気に入り
たんぽぽしゃん

はらわた くろ蔵----- 山賊の親分

(血なまぐさいことはきらい。
こがね色した、チャリンと音のするものが大好き。
毎晩、チャリン、チャリンと数えるのが趣味。いつも酔っ払っている )
トミさん

ダジャレ・スベルノスキー-----山賊の子分

(謎のロシア人、おそらく遭難して日本に流れ着いたロシアの漁師。
なぜか、秋田美人の奥さんがいる)
ひらみぃさん

はじ かくの進----- 山賊の子分

(いつもピントはずれの男。スベルノスキーにくっ付いている。
兄キーと水谷豊風にしゃべる)
ひらみぃさん
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プロローグ

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“通りゃんせインスト”インストルメンタルでテーマのみを流す。
テーマが終わったら、ナレーション開始。

ナレーター(澄ました声で。
予告編での失態を、上司に怒られたので神妙な口調)
「昔、むかしある所に“りんどうの里”と呼ばれる村がありました。
“りんどうの里”にある、天神様に続く細道には噂があります。
『行きはよいよい、帰りは怖い』と言われています。
山賊が、たむろしていて無事には帰れないと言う噂です
。 物語はおりんさんひょうろく夫婦のいとなむ小間物屋から始まります。
お客さんを送り出した後、店じまいをして、奥の土間に入ります。」

ひょうろく
「おりん、風呂は沸いてるかー」

おりん
「はいよ、おまえさん。沸いてるよ」

ひょうろく
「おーぅ、極楽、極楽。そういやあ、明日はたまむしの誕生日だったなあ」

おりん
「はいよ、もう七つになるから明日は天神様に、お参りしようと思うん だけどおまえ さんも行くかい」

ひょうろく
「いや、おれは寄り合いがあるから行けねーなあ。 二人で行っといで、道中気 を付けるんだよ」

おりん
「はいよ、おまえさん。お湯はぬるくはないかい」

ひょうろく
「あー、ちょうどいいぞ。おめえも入るかい」

おりん
「もう、おまえさんったら」

ひょうろく
「そういやあ、たまむしはもう七つかあ。 ぼちぼち、寺子屋に入れたらどうかなあ」

おりん
「まだ、早いよぉおまえさん。あの子ちょっと引っ込みじあんだしぃ」

ひょうろく
「そうだなぁ、もうちょっとやんちゃでもいいんだがなぁ」

おりん
「だからそのことを、天神様にお願いしてきますよ」

ひょうろく
「ごりやくがあるといいなあ」

おりん
「ありがたい天神様らしいよ。 たまむしもきっともっと強い子になるよね、おまえさん」

ひょうろく
「ああ、なるさおいらの子だから」

おりん
「そうですね、おまえさん」

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“通りゃんせカラオケ”前テーマに合わせて、 おりんと山賊の掛け合いで歌う、テーマのみ。

ナレーター(アナウンサー口調で)
「天神様に通ずる細道の入り口に、おりんさんとたまむしがやっと着きました。 細道の入り口には山賊らしき男が、キセルを吹かしています。」

“おひるねたいむ”を、BGMで流す。

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たまむし
  「かぁちゃん 疲れたよぉ もう歩くのいやだぁ〜」

おりんさん
  「いっぱい歩いたね〜。もうそろそろ天神様に着くはずよ。 この道で合ってるかしら・・・。」

おりん(怖いのを我慢して)
「ちょいとお尋ねします。ここはどこの細道ですか」

はらわた くろ蔵(面倒くさそうにおりんを見て)
「なんだー。何か用か」

たまむし(怖そうに)
「かあちゃん、こわいよー」

おりん(たまむしをなだめるように)
「ちょっとまっててネ、すぐ終わるから。 ですから、ここはどこの細道ですかと、聞いているんです。」

くろ蔵(キセルをぽんぽんと叩いて、吸い殻をすてて)
「ここか、ここは天神様の細道よ」

おりん(勇気を出して)
「ちょっと、通してくださいません」

くろ蔵(おりんをじろじろ見ながら)
「通るのはいいが、帰りはこえーぞ」

おりん
  「こわいって、どういう意味ですか」

くろ蔵(ニヤニヤしながら)
「そん時になりゃーわかるさ」

おりん(たまむしを引き寄せながら)
「こわいってどういう意味か分かりませんが、この子の七つのお祝いに お札を納めに参りたいんですけど」

くろ蔵
  「そりゃあ、あんたの勝手だが、ただで通るつもりじゃねぇだろな」

おりん
  「ただじゃないんですか」

くろ蔵
  「あったりめーだろーが、通行料を出しな」

ダジャレ・スベルノスキー(片言の日本語で)
「オヤブン、ダレデスカー、ソノオンナ。オヤ、コドモモイルデスカ。 ボーヤ、コッチオイデマスカ」

たまむし(怯えておりんにしがみ付く)
「いやだー、かあちゃんこわいよー」

おりん(たまむしを、かばって)
「よしよし、大丈夫よ。何ですか、あなたは」

ダジャレ・スベルノスキー
「ワタシ、コドモスキスキアルヨ。ボーヤ、ワタシト、アソブアルヨ。 オオ、 ハラショー、ハラショー。」

くろ蔵(面倒くさそうに)
「おい、おめえは引っ込んでろ。話がややこしくなるじゃないか。」

ダジャレ・スベルノスキー
「エッ、ナンデスカー、ヤヤコスキー? ワタシニホンゴ、ムツカシアルデス。 ニホンゴ、ヨクウォッカリマセン。ハラショー、ハラショー。」

くろ蔵(いら立って)
「うるさい、向こうへ行ってろ。」

ダジャレ・スベルノスキー
「ヘエ、イッテルデスキー、ハラショー」

くろ蔵
「何がハラショーだ。まったく。何であんな奴を雇ったんじゃろー。 失敗じゃったのー。 女房は最近稼ぎが少ないと、ぎゃあぎゃあうるせえし。 スベルノスキーは、何言ってんのかよく分かんねーし。 あいつ首にしてもっとましな奴は、いねーもんかのー。 じゃが、あいつ図体でけーしなー。どう言うたもんかのー。 やれ頭痛いぜよ」

おりん(たまむしの手を引いて)
「とりこんでいるみたいだから、もう行きましょうね。」

はじ かくの進( おりんの前にたちふさがって)
「おぃ!待て! 親分!兄キー!こいつら、払わないで行ってしまいますぜ。」

くろ蔵
  「おぉ〜!そうじゃった!おぃ、通行料を出しな」

おりん
  「おいくらですか?」

くろ蔵
  「行きは30文でええぞー、帰りは50文じゃい、合わせて100文だがよ」

おりん
  「どうして、行きと帰りで料金が違うんですか? それに30文と50文を足したら80文 じゃないですか。」

くろ蔵(面倒くさそうに)
「うっせ−、あまだなー。20文は手数料じゃい」

おりん(あきれた声で)
「手数料まで、取るんですか、あくどーい。」

くろ蔵
  「じゃあやめて、さっさとけえんな」

おりん(不機嫌な言い方で)
「分かりましたよ、払えばいいんでしょう、払えば。 でも今は行きの代金30文でいいでしょ。それと領収証ください。」

くろ蔵
  「領収証、なんだそれ」

おりん
  「受け取りですよ。 帰るときに、行きの代金をまだ貰ってないと言われないように。 あ、ハンコは母印でいいですよ」

くろ蔵
  「ボイン〜〜?そういやあ、あんた結構ボインじゃないか」

おりん(すこしカチンときて、ちょっと声を荒げる。荒げるとはいっても品よく)
「そのボインではありません!!!。 母印ですよ、ぼ・い・ん、ハンコの代りです。」

くろ蔵
「冗談でえ、そうむきになるんじゃねえ。 あんた、怒ると色っペーなあ。も一回言って。」

おりん(あきれ声で)
「いい加減にしてください、早く受取りをください。」

くろ蔵(小馬鹿にした言い方で)
「へえ、へえ、そう◯◯テリー起こすないや。 ◯◯テリーは女房だけで、たくさんでえ。」

おりん(なかなか、気が強い)
「あんたが、怒らせたんでしょ」

ナレーター
「その後、やっと神社のお参りが無事に済みました。 神社に、お札を納めた記念に朱印を押してもらい、 おりん、たまむしの名前も書いてもらいました。 さらに、今日の日付10月3日と書き込んでもらいました。 現代のように、記念写真という物がありませんから、 お参りした記念を残したかったのでしょう。 無事にお札を納めて、親子は細道を帰って行くのですが、 細道を出る所でまた例の山賊が待っています。 山賊とのおバカな話が長くなるので、ここはテープを早送りしますね。 『きゅるきゅるきゅる〜〜〜〜。』(テープ早送りの効果音) おりんさんと、たまむしは、やっと山賊とのやり取りが済んで、 『おうちに帰ろうね』と たまむしに言いながら、国ざかいの峠に向かいました。 ところがその後、この親子の消息はぷっつりと途絶えました。 一体どうしたんでしょう。心配ですね」

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“通りゃんせカラオケ”アドリブ演奏から入って、後テーマで終了。

ナレーター
「以上で前篇は終了です。続きは後篇でまたお会いしましょう。 それまで、さ ようならー。」

無気味笑い

前篇終了

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通りゃんせ後篇

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追加登場人物

いばり ちらしえ門----- 悪代官

(はらわた くろ蔵から、賄賂をもらっている。 そのため山賊が違法に旅人から、高額の通行料を巻き上げていても、見て見ぬふり)

役人達

リーダー------トミさん
家来----------ひらみぃさん

大ぼら ふき夫----- 評論家

(神秘現象研究家、講釈師のように見てきたようなウソを言う人物)
ひらみぃさん

脚本家(エンパシー)

チョコミンさん

“通りゃんせカラオケ”で後テーマを流す。テーマが終わったらナレーション開始。

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ナレーター
「おりんさんとたまむしが行方不明になったその日の夕方です。 こちらおりんさんの家では、亭主のひょうろくがうろうろしています。」

ひょうろく(心配そうに)
「遅いな〜、遅いな〜。おりんとたまむしは、どうしたんだ。 もう帰ってくるはずなんだが」

ナレーター
「夜になっても帰らないので、ひょうろくは心配のあまり奉行所に 捜索願を出しに行きます。 しかし『ちょっと帰りが遅いだけだろ』といわれて門番に追い返されます。 しかし、次の日になっても帰らないので、また奉行所へいきます。 門番と押し問答になるのですが、ひょうろくの真剣な態度に門番も 気の毒に思ったのか、代官にあわせてやります」

ひょうろく(切羽詰まった様子で)
「お代官様。女房と子供が帰ってきません。 こんなに遅いはずはないんです。どうか、探してください」

いばり ちらしえ門
「一日位帰りが遅いくらいで、捜索隊なんぞ出せるものか。 えーい帰れ、帰れ」

ひょうろく
「お代官様、お代官様、お願いです。女房とまだ幼い子供なんです。 お願いします」

いばり ちらしえ門
「えーい、うるさい。門番、こ奴をつまみだせ」

ナレーター
「代官に、こう言われて、ひょうろくは追い返されます。 仕方なく、ひょうろくは家に帰ります。 しかしその日の夜になっても帰らないのでふたたび奉行所に頼みこみます。 代官もさすがに、追い返すわけにもいかなくなって、では明日捜索隊を 出そうということになりました。」

ナレーター
「次の日捜索隊が招集されて、ひょうろくも加わります。 しかし、いざ出発という時になってにわか雨が降り出しました。 『雨がやむのを待とうと』役人が言いだすので、ひょうろくは 『早く行きましょう』と訴えるが、役人は面倒くさそうに 『そう慌てるな』と、言うだけで腰を上げてくれません。」
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雨が上がった時に、なぜか“雨上がり“のテーマが 流れて来て、みんながノーテンキに歌う♪。 (スキャットでもいい。前テーマのみ)

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ひょうろく(我に返り)
「お役人様、歌ってる場合じゃないでしょう」

役人のリーダー(しびしぶ腰を上げながら)トミさん
「おい、さあ行くぞ」

役人達、トミさんとひらみぃさん(声を揃えて)
「へーい」

ナレーター
「役人が、捜索に出るそうなということで、噂がどんどん広がって 誘拐されたとか、もうこの世にいないんじゃないかと勝手なことを いう連中もいます。 ひょうろくは気が気ではありません。」

ひょうろく(おろおろした声で)
「おりん、おりーん、たまむしー。 帰ってきとくれー、無事でいてくれー」

役人のリーダー
「そう心配するな。なに、けろっとして帰ってくるさ」

ナレーター、心配そうに。
「本当に、大丈夫なんでしょうか。心配ですね。 ひょうろくさん、可哀そう。 役人とひょうろくが、国ざかいの峠近くまで行くと、峠の坂道を 下ってくる人影が。 もしかして!。」

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Fブルース・エチュードを、挟む。

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ひょうろく(急に元気になって、大声で叫ぶ)
「おりーーん、たまむしーー」

おりん(気がついて、明るい声で)
「お前さーーん、おまえさん。 たまむし、とうちゃんが迎えに来てくれたよ。」

たまむし
  「とーちゃーん、とーちゃーん。」

ナレーター(ほっと安心と言う声で)
「そうです。間違いなく、おりんさんと、たまむしです。 よかったですねー、二人とも無事でした。 およよよよ〜〜〜〜〜。」(と、泣くマネをする)

くろ蔵(なぜか、観客席から)
「おいおい、お前が泣いてどうする。ちゃんと仕事しろー」

ナレーター(立ち直りが早い。澄ました声で)
「失礼しました。 おりんさんは、たまむしを抱き上げて駆け降りてきます。 おりんさん、ひょうろく、たまむし喜んで抱き合います。 役人達と、おりんさん夫婦とたまむし、それぞれ無事を 喜びながら、街へ帰ります」

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ここで、踊りとしたいが、見えないのでフルートとスキャットで掛け合いをする。 踊っているイメージを作る。“雨上がり”のアドリブを使う。

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ナレーター
「街では、おりんさんとたまむしが帰って来たということ、でまた 騒ぎになりかわら版屋の記者が来て、母子にインタビューを開始しました。 あ、テレビ局のカメラマンも来てますね。すごい報道陣の数です」

くろ蔵(また観客席から)
「おいおい、昔話にどうしてテレビ局が来るんだよ」

ナレーター(慌てて、元の冷静さを取り戻して)
「コホン。失礼しました。 かわら版屋のインタビューで山賊は通行料さえもらえば、あとは用はない というタイプの山賊だったと分かるし、 「怖い」という意味の違いが分かります。 『りんどうの里』では、『怖い』という意味が違うんですね。 ひょうどぅん語(この通りに、発音してください)では・・・・ 。」

くろ蔵(あきれたように)
「ええっ、何だって。アナウンサーだろ、ちゃんと発音しろ。」

ナレーター(意味がわからない様子で)
「はい?どうかしました。ですからひょうどぅん語です。 あ、違った。標準語では、そうそう、標準語では。 えっ、何の話でしたっけ。」

くろ蔵(ダメだこりゃという感じで)
「だからよー『怖い』を、ひょうどぅん語。 ん、やろー、てめー、お前が変なこと言うから、うつったじゃねえか。 標準語で『怖い』は、『恐ろしい」だろ。 『りんどうの里』では『怖い』は、どう言う意味なんだよ。 ええい、じれってーなー』

ナレーター(澄まして、何事もなかったように)
「ああ、そうでした、そうでした。 『りんどうの里』では、『怖い』と言うのは、実は 『疲れた』という意味なんですね。 ですから、恐ろしい話でも何でもなかったんです。 なーんだ、そういうことかですよね。 ただ、インタビューの中でおりんさんが奇妙な事を、言っていました。 『10月3日に天神様にお参りして、疲れたので途中のお寺で一晩泊めて 頂きました。 今日は10月4日でしょう。 皆さんどうしてこんなに騒いでるんですか』すると、記者は 『何言ってるんですか、今日は10月5日ですよ』 と、いうやり取りがありました。 『無事だったんだから、もうそっとしといてください』と、 ひょうろくが言うので記者は 『何だ、おりんさんの勘違いか』などと、ぶつくさ言いながら帰って 行きました。 とりあえず、めでたし、めでたしです」

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“通りゃんせカラオケ”後テーマを歌って、終わる。 音楽は、これで全て終了。

後篇終了

コミカルなBGMを流す。

エピローグ

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ナレーター(アカペラで“通りゃんせ“を歌う)
「とーりゃんせー とーりゃんせー こーこは どーこの 細道じゃー♪」

はらわた くろ蔵 (なぜか、観客席から)
「何で、お前が歌うんじゃー」

ナレーター (神妙な声でトーンを落として)
「只今よりこの作品について、大ぼら ふき夫さんのお話を伺います。 大ぼらさんは、神秘現象研究家です。 大ぼらさん、よろしくお願いします。」

大ぼら ふき夫(偉そうに)
「オッホン、ああ、よろしく。メデタシ、メデタシ。 ハッピーエンドでしたなー。」

ナレーター (怪訝そうに)
「ちょっと待ってください。腑に落ちないことがあります。 おりんさんはインタビューで、疲れたので一晩だけ、途中のお寺に頼んで 泊めて頂いたと言っていました。 それにおりんさんは“今日は10月4日でしょう”と言いました。 これに対して記者は“何言ってるんですか、今日は10月5日ですよ” というやり取りがありました。 これっておかしいですよね。 親子は二晩行方不明だったはずなのに、おりんさんは、一晩だけ と言っています。」

大ぼら ふき夫
「もう一晩、この親子はどこでどうしていたのでしょう。 不思議ですね〜」

ナレーター(真面目なアナウンサー口調、この人にしては珍しい)
「私、思ったんですが、“りんどうの里”では“こわい”は “疲れた”という意味でした。 でも、おりんさんが住んでいる街では“こわい”は“恐ろしい” ですよね。 ではその境目の、国ざかいでは“こわい”は、どういう意味なん でしょう。」

大ぼら ふき夫(この男何か知っているようです)
「国ざかいの峠では、キツネがよく出ます。また、空を飛ぶ異様な 飛翔体がよく目撃されています。 あの峠では、以前から怪奇現象があると言われています。 国ざかいの峠では“こわい”という言葉は使ってはいけないんです。 “恐ろしい”と“疲れた”と言う意味の境目で、おりんさんが うっかり“こわい”と言ってしまったんでしょう。 そのために、時間と空間とのゆがみが発生したんです。 おりんさんとたまむしにとっての一日は、街では二日だったん ですね。」

観客席からの突っ込みが入る。(くろ蔵の声)
「そんな、アホな」

ナレーター(おびえた様子で)
「そんなことが、あるんですか?」

大ぼら ふき夫(極めて真面目に)
「この世の中には、科学では説明のできないことがあるんです。」

ナレーター (観客に向かって)
「皆さん、この話信じられますか?不思議ですねー。」

大ぼら ふき夫 (不敵にニヤニヤしながら)
「だから、こわいんですよ。 (歌いながら、去っていく。マイクからだんだん離れて行く) 帰りは怖い、帰りは怖い、帰りは怖い、帰りは怖い・・・・・・・♪」

ナレーター (慌てて)
「大ぼらさん。大ぼらさん。あらら、行っちゃいましたね。」

ナレーター (普通のアナウンサー口調で)
「只今上演しました、ミュージカルは全てフィクションです。 それでは、またお会いできる機会を楽しみにしてます。 さようなら〜〜〜〜♪」

脚本家自身で、突っ込み。
こんなアホな話、だれが信じるか。