枯葉アドリブ

佐渡島の次平

「枯葉」アドリブ


テーマ部分はカラオケです。

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若い頃にはオルガンやピアノを練習していた事もあるんですが、当時はまったくアドリブなんてできませんでした。
田代ユリさんや、坂元輝さんのレコードと譜面が載せてある教則本を買って、譜面を見ながらマネをするのが精一杯でした。坂元輝さんの 「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノ」にはスケールやコード進行の解説、アドリブの仕方等、詳しく書かれていたんですが自分でアドリブ 演奏はできないまま、楽器もやめてしまいました。その後長い事、音楽には縁が無かったんですが、3年位前にノートパソコンを買ってか らは、打ち込みでアドリブのマネゴトをやり始めました。昔、買っていた田代ユリさんや坂元輝さんの教則本を引っ張り出してコードやス ケールの勉強をして、徐々にアドリブを試してみました。打ち込みでは、楽器のように練習をする必要が無い分フレーズを作る事に専念で きるので、思ったより簡単にアドリブらしいものができるようになりました(本当にいいのかどうかは分かりませんが)。


実は始めてアドリブを実践してみたのは、「枯葉」なんです。ブルースのほうが簡単なはずなんですが、始めはブルースのほうが取っ付き にくかったんです(今では殆どブルースばかりやってますが)。マイナー・キーでスケール的にも難しいんですが、何よりもこの曲を好き だった事と、殆どのジャズメンが取り上げているので、いろんな「枯葉」を聞いていた事が大きかったようです。しかし、いきなりアドリ ブをしようと思っても、いったいどの音から始めればいいのか、次にどう繋げればいいのか、チンプンカンプンでした。それで始めの内は メロディーを少し崩したメロディー・フェイクから取り掛かりました。 だんだん慣れるにしたがって、テーマのメロディーから離れて、独自のフレーズを入れたくなっていきます。だんだんと、アドリブらしく なっていったと思うんですが、どうでしょうか。


著作権の関係で、テーマ部分のメロディーは出せないので、テーマ部分はカラオケにしています。アドリブ・パートのみ、私の拙いアドリ ブを入れてあります。参考になるかどうか分かりませんが、アドリブしてみたいと言う方の何かのヒントになればと思っています。


坂元輝さんはlivedoorブログで、アドリブの仕方や音楽理論を書いておられますね。かつて出版されていた「レッツ・プレイ・ジャズ・ピ アノ」は、絶版になったそうです。私はVol.4までしか買って無かったんですが、もっと続きがあったんですね。今では手に入らないかも 知れません。この「枯葉」は、「レッツ・プレイ・ジャズ・ピアノVol.1」を参考にしています。


Cm7|F7|B♭maj7|E♭maj7|
Am7-5|D7|Gm|G7||
Cm7|F7|B♭maj7|E♭maj7|
Am7-5|D7|Gm|Gm||
Am7-5|D7|Gm|G7|
Cm7|F7|B♭maj7|E♭maj7||
Am7-5|D7|Gm|Gm|
E♭7|D7|Gm|Gm||

1小節〜4小節・・・Key=B♭
5小節〜7小節・・・Key=Gm
8小節〜12小節・・・Key=B♭
13小節〜19小節・・・Key=Gm
20小節〜24小節・・・Key=B♭
25小節〜32小節・・・Key=Gm


B♭メージャーとGマイナーが、ほぼ交互に演奏されコーラスの終わりはGmで終わるので、曲のキーはト短調、Gmです。 各コードで使われ るスケールです。


Cm7:Cドリアン・スケール
C,D,E♭,F,G,(A),B♭

F7:Fミクソリディアン・スケール
F,G,A,(B♭),C,D,E♭

B♭maj7:B♭アイオニアン・スケール
B♭,C,D,(E♭),F,G,A

E♭maj7:E♭リディアン・スケール
E♭,F,G,A,B♭,C,D

Am7-5:Aロクリアン・スケール
A,(B♭),C,D,E♭,F,G

D7:Dハーモニック・マイナー・スケール・パーフェクト・フィフス・ベロウ
D,E♭,F,F#,(G),A,B♭,C

Gm:Gメロディック・マイナー・スケール
G,A,B♭,C,D,E,F#・・・上行
A,B♭,C,D,E♭,F,G・・・下行(右から左に下がって行くと見てください)

G7:Gハーモニック・マイナー・スケール・パーフェクト・フィフス・ベロウ
G,A♭,B♭,B,(C),D,E♭,F

E♭7:E♭リディアン・フラット・セブンス・スケール
E♭,F,G,A,B♭,C,D♭

E♭7はAm7-5の代理和音です。
Am7-5→D7のツー・ファイブをD7だけに戻し、その前にA7を置き、A7→D7のドミナント・モーションにします。
そのA7を裏コードのE♭7に置き換えたものです。D7に半音で下行します。ジャズではよく使う手法です。裏コードと言うのは、元のコード の根音に対して、減5度の音程にあるコードの事です。E♭7とA7はお互いに裏表の関係にあります。G7の裏コードはD♭7です。なぜこんな 事ができるかと言うと、共通のトライ・トーンを持っているからです。G7のトライ・トーンは、B,Fの減5度音程です。D♭7にも、F,Bの同 じ減5度音程があります。スケール(音階)に終止感をはっきりさせるための導音がありますが、この導音と主和音(トニック)の調性感 を決める重要な3度の音に進行する音との関係が、減5度になっています。これがコード進行での終止感をはっきりさせる点で重要な音で す。

G7→Cmaj7
B,F→E,C
D♭7→Cmaj7
F,B→E,C

トライ・トーンだけに注目すれば、G7→Cmaj7もD♭7→Cmaj7もまったく同じだと分かると思います。


枯葉のコード進行を使ったアドリブ練習です。AA'の16小節カラオケです。響きを聞いてイメージを思い浮かべます。


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アドリブを付けてみると。


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